大徳寺さんでの個展は会期を終了いたしました。短い期間にかかわらず沢山の方々がお立ち寄りくださいました。大徳寺のご住職 妙教さん、妙婧さんはじめ沢山の方の助けがあって無事に終えることができました。心より感謝申しあげます。

普段ひとりの時間が多いので1年分、いや2年分くらい沢山の方々とお会いした気分です。途轍もないエネルギーを使って疲れはしたけれどもただの疲労とは違う満足感と確信を自分へプレゼントできたかもしれない。

個展という名前は同じでも毎回全く違う景色や気持ちがみえてくる不思議なものだなと感じます。それぞれの方が持つ人生の物語と自分が描いたものがクロスしてそこに何かが生まれるような感覚を覚えたり、作品を通してしかすることがなかったかもしれない会話。とても濃かった。

特に今回は広いペースだったということもあり、ここ10年ほどの作品も混ぜて展示して自分の仕事を見渡すこともできました。「変わったねぇ」という感想をくださった方もありましたが自分が思ったのは自分の持ってるものは変わりようがないということでした。だから安心してこれからも描いていこうというふうに思えた。

自分に対しての眼差しを変えることもゆるせるような気がしました。若い頃「結果」を出さなければ意味がない、と言われたことが自分のなかで幅をとっていたけれどそれまでの道のりが全く同じ人はいないから。それはことばで伝えなくたって描いたものから感じられるのかもしれないです。

「いづみちゃん、肉体の時間は限られてるからなるべくたくさん描いてね」

とある友人が言ってくれてあぁそうだなぁと。表現をこれだというところまで持っていくには物質的な時間は短すぎる。眠る時間も、好きなことをしていても気分転換だって必要だもの。

梅雨明け前から異常な暑さですがどうぞよい夏をお過ごしください。

「底知れぬ」